「スウェーデン国税庁改革ストーリー」日本語版を発行

　2023年3月、ティグレ連合会は「恐れられる機関から信頼されるサービス機関へ〜スウェーデン国税庁改革ストーリー〜」を発行しました。スウェーデンの国税庁が改革を成し遂げていった過程を記した書籍を、ティグレ連合会にて翻訳・制作した日本語版です。

　本書の発行は、ティグレ創立以来の目標である「納税者主権の確立」を目指す取り組みであり、50周年を迎えるにあたってこの取り組みをより広げていこうというものです。橘悦二ティグレ連合会理事長は、本書の「はじめに」において以下のように記しています。

「納税環境の整備という言葉をよく聞きます。これに“豊かな”という言葉が加われば、より良いのではないでしょうか。豊かな納税環境です。納税の法的「義務」があるのであれば、納税者の法的「権利」も認められるべきです。「義務」を果たすだけでは、豊かな納税環境とはいえません。」
「この翻訳書が、今後の納税者権利憲章制定運動の一助となることを願っています。」

　会員の皆様には会報誌と共に本書をお送りしています。税の話はもちろんですが、全般的に普遍的な組織論が綴られた読みやすい内容になっています。事業経営のヒントとしても役立つ１冊になれば幸いです。

韓国税務士関係者との交流を通じて

　この本の発行のきっかけは2019年の韓国訪問です。韓国では1997年に「納税者権利憲章」が制定されており、その納税環境を学ぶことを目的としてティグレ関係者が訪韓したもので、韓国の税務関係者の皆さんと交流を深めました。その際、韓国納税者連盟の金会長より、スウェーデン国税庁の改革ストーリーの韓国語版を出版する事業開始の報告がありました。

　翌2020年に韓国語版が発行され、この日本語版をティグレで制作できないかと金会長を通じてスウェーデン側に働きかけていただいたことにより、この度のティグレによる本書の発行が実現しました。この、2019年から2020年にかけての納税環境を学ぶ日韓双方の交流レポートは、ティグレフォーラムのサイトに掲載しています。ご参照ください。